貝殻アートから広がる未来

貝殻アートから広がる未来、ゆったりと時間が流れる似島で、
のびのびした環境のもと新たな挑戦!

安芸区から似島に移住してきた松尾さん。似島の暮らしや魅力についてお尋ねしました。
牡蠣パイプ×貝殻アートというユニークな発想で新たなことに挑戦しています。
また、移住を考えている人へのメッセージもいただきました。

なぜ似島を選んだのですか?

前職で働きすぎていてすごくしんどくなって、子供も小さく、ギリギリの精神状態・体力状態でした。そんな時に似島に出会いました。似島はゆっくり時間が流れていて、景色も綺麗で、誰も私のことを知らないし、現実逃避ができるので魅力に感じました。移住前に、似島で行われていたイベントに友達が誘ってくれて、その時に「何ここは!時が止まっている!」と思ってすごく気に入りました。当時、島にいた地域おこし協力隊の女の子と仲良くなって、「いいね、いいね!ここいいね!」ってずっと言ってて。その後何度も訪れるうちに、彼女から「いっそのこと住んでみたら?」と言われ、移住を決めました。

移住してギャップ、思ったのと違ったことはありますか?

大人になってから田舎に住んだことがなかったので島の人たちの距離の取り方が難しかったですかね。新しい人が来るとすぐ島の人たちに広まりますし、インターホンもないのでドアを勝手に開けて「誰かおるー?」と声をかけられます。今では「おるよー!!」と返事できますが、移住したばかりの頃はカルチャーショックでびくびくしながら閉じこもっていました。
変わったきっかけは畑をするようになったことです。家から出るようになって初めて前向きになることができました。太陽を浴びて土に触れて、海を眺めたり波音を聞きながら、自然の中で自分が作りたいものが作れ、それが喜びに感じられるようになったことでリフレッシュすることができました。あと、浜辺でゴミを拾うのがルーティンなのですが、その時たまたま声をかけてくださった方が産業廃棄物の業者の方で、ビーチクリーンを企業と地域の方々と行い、トラックいっぱいになったゴミを引き取ってくださいました。人と環境、私のやりたいことという3つのピースが揃ってきて、これをやりにきたのかもと思えるようになりました。あと、人間関係などはもう慣れですね。

似島の魅力を教えてください。

似島は広島港から20分の距離なのに大自然が沢山あるんです。しかも住所が広島市南区なので、都会ブランドがあります。大自然の中で子育ても出来るので、子供を伸び伸びと育てることができます。それと、地域活動をしていたら公民館や区役所から、「みなとフェスタ」など大きなイベントへの参加依頼があるので活動の場を広げやすいです。似島では「ビーチクリーン」だったり「竹林整備活動」とかで環境保護活動を沢山出来るので、その問題に関心のある方にはとても合うと思います!私自身似島に来てから、浜辺に落ちている貝や牡蠣パイプを利用して貝殻貼り絵を始めました。それから似島では、中学生の写真家さんや、ギターを作っている方もいらっしゃるみたいです。
みんなで似島をクリエイティブな島にしていけたらいいなと思っています~!

移住してみて不便なことはありましたか?

必要なものはネットショップや島外に出たついでに買って来ますし、
生活の上で特に不便なことはないですね。

島には商店が3軒あって、日用品、食品には困りません。
ガソリンを売っているところもあるんですよ。

強いて言えば、高校生の娘がいるんですけど、年頃の子とか若い子は街から島へ帰る最終フェリーが8時半なので不便かもしれません。私も昔は街中が大好きだったので考えられなかったかもしれませんね。でも今は私自身全く都会に魅力を感じないので何とも思わないですね。人が多いところに本当に疲れちゃうので、逆に昔どうやって暮らしていたのかななんて思ったりします。島に来てみて、昔はだいぶ人に合わせて嘘をついていたんだろうなって思いましたね。

最後に移住を考えている人へメッセージを
お願いします!

色々心配なことはあるかもしれませんが、来たら意外となんとかなります!まずは明るいイメージで勇気を持つことが大事ですね。
公民館と距離が近いので、声をあげればやりたいことに挑戦しやすいのも良いところだと思います。私も最近、貝殻アートのワークショップをやることが決まったんですけど 、公民館が色々と融通を効かせてくれました。 ギリギリまで話を聞いて親身に相談に乗ってくれました。島に何もない分、新しいことに挑戦しやすいと思います!
後は、大工さんとかちょっとした修理ができるフットワークの軽い方とかに来ていただけると助かりますね。

松尾さんの貝殻は貝殻だけでなく、潮の流れで辿り着いた牡蠣パイプなどのゴミを使用して作られています。ゴミにはマイナスイメージがあるかもしれませんが、アートにすることによって価値のあるものを生み出すことができます。写真はカキ養殖で使う青いパイプを用いて作られた作品です。松尾さんは牡蠣パイプをゴミ問題と捉えるのではなくアートにして心に響かせることをしていきたいとおっしゃっていました。


取材を終えて・・・・・

私たちは島への移住者と聞いたときに最初はアクティブな方かなと思ったのですが、話を聞くにつれて松尾さんはさまざまな経験を経て、似島に移住したことを知りました。私たちは松尾さんの過去から未来について話を伺ったのですが、現在挑戦していることやこれからの活動について話す松尾さんの姿はとても生き生きしており、明るい表情でした。似島は都会と違って人が少ないこともあり、自らの活動から自分の存在価値を見出すことができる場所だとインタビューを通して感じました。松尾さん自身も似島に来ることで、生活だけでなく性格もガラッと良い方向に変化している印象を受けました。やはり、踏み出す勇気が大切だと思います。

安田女子大学 現代ビジネス学部 国際観光ビジネス学科 西原ゼミ
中森実咲、木崎莉来、伊関菜都、高瀬李菜