似島で、のびのびとしたライフスタイル!

広島市内にアクセス抜群!自然豊かな似島で
のびのびとしたライフスタイル!

地元関西から似島に移住した水島さん御家族。広島に移住することを前提に、家を探していたところ似島にも魅力的なスポットがあると知り、海のそばの抜群なロケーションで新しい暮らしをスタートされました。 そこで、私たちは移住のきっかけや魅力、暮らしなどについてお尋ねしました。

移住のきっかけは豊かな自然と平和への思い

地元は関西でしたが、広島に転勤で来られました。それから数年がたち、海も山も近い広島の環境が子育てするのに最適と感じて広島での住宅購入を計画していたところ、似島の存在を知ったことが島への移住を考えるきっかけになったそうです。
実際に似島を訪れてみると海や山の自然が豊かで、のびのびとした子育て環境と大の釣り好きな旦那さんが釣りをするにも抜群のロケーションだったので、すっかり気に入ったそうです。

また、似島について調べたところ、似島には、戦争、原爆に関する歴史遺産があり、被爆者との関りが深いことを知ったそうです。

元々奥様には、こんな思いがありました。
「被爆当時を知る被爆者の方から直接お話を聞けなくなる日が近く、被爆者の体験をはじめ、平和への思いを語り継いでいきたい」そんな思いから、「あまり知られていない似島の歴史を伝えないといけない」と感じ、似島に移住することを考え始めたと仰っていました。

地元の人の声が移住へのカギ

こうして似島への移住を検討し始めた頃、似島の歴史を案内するボランティアガイドの養成講座の募集があり、それに参加されたそうです。

それがきっかけで広島市南区役所の地域おこし推進課の職員の方とも出会い、移住の相談をするようになったのだとか。島での仕事も紹介してもらい、奥様は現在、島内の複数の学校の図書室で司書をされています。

そして移住を決めるうえで何より意味があったのが島の知り合いからの情報。「ネットスーパーが使えるのか?」「診療所でどういう診察をしてもらえるのか?」「緊急時どのように対処していくのか?」など、

移住に際し、「地域の方とある程度交流関係を持っておくと、島のことをよく知ることができるし、様々なアドバイスも貰えて、ネットよりも有力な情報を得られるので、それを頼りにするのが一番です。」と仰っていました。

特に自然災害については、住んでいる人に「これまでの台風でどういう被害があったか?」「警戒地域がどういう状況なのか?」を尋ね、さらにハザードマップを見て、いざという時の対応を考えていたそうです。

似島での暮らし~実際に住んでみて感じたこと~

良かった点として、まず最初に挙げられたのは、お子様の教育環境でした。

似島の小中学校は自然体験のメニューがとても充実しているのだそうです。
例えば、学校行事として釣り大会カヤック体験牡蠣打ち体験などがあります。
”まち中”では見られない生き物もたくさんいて、虫捕りや釣りなど何でもできるとのこと。
そんな島の自然の下でのびのびと暮らしながら、子供たちは豊かな感性を育んでいるそうです。

また、似島小学校は、少人数ながら小中一貫教育校なので学年を越えての交流や小中学校間の交流が深いことなど、似島ならではのメリットがあります。
更に、地元の方々が学校で働いているので、地域全体で島の子供たちを見守る環境が自然と出来上がっているとも仰っていました。

一方大変な面は、唯一の交通手段であるフェリーの時間に生活が縛られてしまうところ。
ただ、これも生活していくうちにだんだん慣れていったそうです。とはいえ、いざという時に交通手段が一つしかないというのはやっぱり不便だと伺いました。

似島の魅力をもっと知ってもらいたい

似島の人口は、住民基本台帳によると2019年3月の人口が787人、2023年3月の人口が680人、年々人口が減り高齢化率約も68%となり、空き家が増え続けています。でもこの似島は約20分で県庁所在地に着くことができる日本でも唯一の島です。そのため利便性があり移住のハードルは決して高くはありません。しかし現在、似島には水島さんご夫婦と同世代の方は少なく、そのために色々課題もあるのだとか。例えば、自然豊かで子育て環境がとても整っているのに子供が少なかったり、島の魅力が伝わっていないことがもったいないなど。

ただ、この数年で似島は大きく変わりつつあります。シーカヤック体験バーベキューが楽しめる施設がありますし、一昨年にはおしゃれなグランピング場もオープンしました。

令和6年4月には広島市の公共施設「少年自然の家」が大きく改装されて「ユーハイム歓迎交流センター」に生まれ変わりました。レストランや宿泊施設も以前と比べてずいぶん充実しているそうです。
観光でこの島を訪れる人が増えれば、自然豊かで子育て環境が整った似島の魅力がもっと多くの人に伝わり、移住してみようと思う人も出てくるかもしれません。

また、水島さんは、ご夫婦で歴史ガイドボランティアに参加され、「ボランティアガイドの養成」「似島の歴史資料の収集・展示」「似島歴史資料館の管理・運営」「似島のまちづくり事業」などの活動をしておられます。こうした活動で移住者が増え、子供やお店も増えて、「いつかこの島の中で生活が完結できるようになったらいいな・・・」と、水島さんご夫妻は最後に熱く語って下さいました。

似島での平和活動について深掘り

似島では、「花の会」という平和活動が行われています。具体的には、似島の原爆慰霊の広場を整備する活動です。島民を中心とした有志の会で、草刈りやお花を植えるなど綺麗に管理されています。水島さん御一家も参加をされていて戦争、原爆の事実と向き合う大切な時間だというふうに仰っていました。みんなで輪になっておしゃべりするのも魅力のひとつで島に関する様々な情報も得ることができます。似島に住んでいない方でも参加できる素敵な活動なので気になる方は是非参加してみては?
また、水島さんご夫婦はお二人で似島の歴史ガイドを行っています。こちらも是非体験してみてはいかがでしょう。


取材を終えて・・・

最初に似島に訪れた際は住んでいる人は大変だろうなと思うことがたくさんあったのですが、今回水島さんにインタビューさせていただいて、似島での暮らしをうまく楽しんでおられ、島ならではのコミュニティーの狭さにとても魅力を感じました。似島についてもっと知っていきたいです。
―山下―

質問をしていくうちに、水島さん御一家の平和に対する気持ちや意識がとても強く伝わりました。私自身、広島県で生まれ育った人としてもっと平和への意識を持ちたいと思いました。
―谷川―

安田女子大学 現代ビジネス学部 国際観光ビジネス学科 西原ゼミ
山下桃 谷川陽菜